心は、「知ること」「理解すること」「コントロールすること」を目的としているため、ともすると、独善的な意見や見解を、真実と取り違えてしまうものです。思考はこう決めつけます。「それはつまり、こういうことだ」。けれども、自分と他人の人生や行動をどんなふうに解釈しようとも、状況や出来事にどんな判断を下そうとも、それは無限に存在する可能性の中の、たった一つの見方に過ぎません。そして、心が思考から解放されるまでは、この認識にいたることはありません。スピリチュアルコーチングの実践を通して、思考から解放されるのです。なにものも単独では存在していないのです。あたかも精緻に織られたタペストリーのように、すべてのものが融合し、一つのものとして存在している。これが真実です。思考は真実をバラバラにしてしまいます。それは、真実を切り刻んで、いわば「観念の寄せ集め」にしてしまうのです。もちろん思考力は有益であり、パワフルな道具でもありますが、それが人生を完全に支配するようになってしまうと、あるいは、思考力はあくまでも意識(=あなた自身)のアスペクトの中で、ごくわずかな割合を占めるに過ぎないという認識に欠けていると、思考力は、むしろ足かせになってしまうのです。叡智は、思考による産物ではありません。人や物事といった対象に、意識を100パーセント集中させるというシンプルな行動を通して湧き上がってくるのが、叡智であり、「深遠な知」です。意識を対象に集中させるという行動は、源初の知恵であり、「多いなる意識」そのものです。それは、観念的な思考がつくる壁を取り除き、「なにものも単独では存在しえない」という認識に目覚めさせます。